神奈川県横浜市で人相・手相・方位学を用いて占い鑑定をしています。

幸運の星物語

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暗がりに灯る淡い街灯の光に照らされながらゆっくりと帰路についた夢子はもう何度目になるかもわからない溜息を吐いた。

今日は本当にどうしようもない日だった、そんな言葉がずっと頭の中でぐるぐる回っていて、身も心もすっかり重たくなってしまっている。

もう家に帰るそれすらも面倒で、できることならこのまま地面に寝転がってしまいたい程だ。

「あー、もう私って何でこう運がないんだろう」

憤りと苛立ちが入り交じる感情で声を張るが夜の住宅街に答えが落ちている訳もなく、渦巻く感情の中に虚無感という新たな仲間が加わるだけだった。

・・・

今日の夢子は確かに不運だった。

朝から寝坊に始まり、バスに乗り遅れ、会議で必要な資料にミスが分かり、そのミスを指導中の後輩にフォローされ、会議に参加しなくていいと上司に告げられ、挙句には帰り道で鉢合わせた子供に防犯ブザーを鳴らされた。

ここまでくれば次は何があるのだろうと逃げ腰になりつつ、どうにか自宅近くまで辿り着いたのだ。

もう今日は残りの時間、家に引きこもって寝てしまおうと自宅の戸に鍵を指した。

「あれ、鍵・・・閉め忘れた!?」

鍵を回し扉を引けば何故だか鍵が掛った状態になっている。

今日の不運から考えれば閉め忘れも可能性として大いに存在するため大慌てで鍵を開けなおし玄関へ雪崩れ込んだ夢子を待っていたのは鬼の形相で仁王立ちする友人の姿だった。

・・・

「何で花奈がいるの?」

「何でいるんだろうね、本当なら二時間も前に映画館で楽しみにしていた公開中の映画観てたはずなのにね」

花奈の言葉にはっとした夢子は平伏すように謝罪の言葉を叫びながら自分の不幸を嘆いた。

映画鑑賞がお泊り会へと変更され、近場のコンビニで調達したお菓子を広げ今日の出来事を花奈へと吐き出した夢子は机に突っ伏して鼻を啜った。

「思えば昔から不運だった、前髪切ったら失敗するし、遠足の度に風邪ひくし、運動会で靴は脱げるし、何よりモテない」

「そうだねー、子供の時から不運だったねー」

「花奈もそう思う!? やっぱり私は不幸の名のもとに生まれたんだ、不運の星の申し子なんだ」

わーんと泣き出した夢子を余所にビスケットを掴みつつ反対の手で携帯をスライドさせた花奈は素早い動作で操作し続け、あるホームページを表示させ愚図る夢子の顔面へと押し付ける。

「可愛そうな夢子ちゃんに幸せになるための第一歩を教えてあげよう」

花奈が表示させたホームページの画面には「あなたの運命を変える方法、教えます」と書かれた一文があった。

・・・

花奈の助言を受けて数日、夢子は未だ第一歩を踏み出せずにいた。

元来、占いは大好きだが基本的に雑誌の一部やテレビで流れている星座占いや血液型占いなどにしか触れてこなかった夢子にとって占い師による対面の助言というのは中々に勇気がいるものだった。

何より、いざ占い師と対面して「どうしようもないほどの不幸を背負った運勢ですね」、なんて言われたら立ち直れない。

それに花奈の薦めた占い師の店は横浜にあるのだ。

行けない距離ではないがたまの休日が完全に潰れるのは気が引ける。

かといって溜まりまくった有給を使うのも何だか勿体ない気がする。

花奈が言うにはそれなら電話鑑定にすればいいと云っていたが、申し込む勇気が出ないのだ。

・・・

唸りながら通勤のためにバス停まで向かっていた夢子の手にはホームページを開いたままになった携帯画面が握られている。

フォームは既に記入されてあり、後は入力内容を送信すると表示されたボタンをタップするかどうかだけだ。

それなのに不幸な運勢を告げられやしないかと恐れ、あと一歩が踏み出せないでいた。

既に花奈には盛大に呆れられた挙句に好きにしなさいと見放されてしまっているが、夢子の一歩はまだ踏み込めていない。

・・・

その日も夢子は携帯に指を向けたままバス停で立ち尽くしていたが、その時、彼女の運命は変わった。

「夢子、お前そんなとこでぼけっとしてると危ないぞ」

ポン、と肩をたたかれた拍子に準備態勢で固まっていた指先が携帯画面へと触れる。

当然、入力内容は送信を完了し、記入したパソコンのメールボックスには案内メールが届いているだろう。

驚きに身を震わせた夢子は聞きなれた声で馴れ馴れしく肩を突いた幼馴染を振り返り、相手は夢子の表情にぎょっとした様子で目を丸くした。

「時成のせいで電話鑑定申し込んじゃったじゃないかー!」

「うわ、何だよ俺のせいか!?」

怒りに身を任せ幼馴染を攻め立てた夢子だったが、対する時成は付き合いの長さもあってか宥めるように頭を撫でて落ち着かせる。

まるで犬の調教のようなそれを受け入れながら送信完了の文字を何度も見返し溜息を吐いた。

「悩んでたなら受ければいいだろう? 踏ん切りついてよかったじゃねーか」

「心の準備ってのがあるでしょ」

「お前、いっつもそんな風に石橋叩きすぎて壊すよな」

性分なんだよ、と反論する気も起きなかった夢子だったが、次の日にはかなり乗り気で鑑定料の入金に向かっていた。

・・・

「それで、占いはどうだったわけ?」

ようやく目当ての映画を鑑賞し終え、花奈と二人で夜道を歩いていた夢子はまるで天にも昇る陽気で聞くまでもない晴れ晴れとした顔をしていた。

「私は不運だって思い込んで悩んだ挙句に良い運気を逃してるって言ってもらったんだ、本当に石橋叩いて壊してるとは思わなかったよ」

「そういえば最近は不運も遠ざかってるんじゃない?」

「昨日なんて先輩に褒められちゃった、今凄く良い運気なんだって、特に恋愛運なんだけど、それはまだ実感ないかな」

「よかったじゃん、この前まで不幸な自分に近寄る男は詐欺師に違いないなんて言ってたのに」

夜の住宅街をキャッキャと言葉を交わし進みながら夢子はしみじみと感じていた。

自分が不幸であると思い込み自ら不幸の渦中に飛び込んでいた頃は自信も持てず、何をするにも疑って色々なところに気を裂いて散漫な状態で仕事をしてミスを犯し更に自信を無くしていく悪循環にとらわれていたのだ。

運勢とは常に回り続け、良いものもあれば悪いものもあるが、それらも全て自分の力でどうにかなるのだと。

それを知るために占いでアドバイスしてもらっている、占いというのはそういうものなんだ、と痛感した夢子はもう自分が不運なのかもしれないという根拠のない思考を捨て去ろうと決心していた。

・・・

「おー夢子、今日は元気だな」

花奈と並んで帰宅していた夢子の前にコンビニから出てきた時成が声をかけ、通り過ぎるついでとばかりに夢子の頭を撫でていった。

その大きな掌が優しく頭を包み、髪を梳くように丁寧な動作で離れていくと同時に夢子の頬は真っ赤に染まる。

その様を一瞬たりとも逃さなかった花奈は本当に運勢や運命というものは分からないと実感するのだった。

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